米国のイエメンでの秘密戦争 J・スケイヒル 

2011/3/22(Tue)
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11分

チュニジアの民主化闘争が波及して今年1月から騒乱が続くイエメン。30年以上も権力を握ってきたアリ・アブドラ・サーレハ大統領の即時辞任を求める連日の大衆のデモを、治安部隊が武力で鎮圧し、多数の犠牲者が出る事態がずっと続いています。6月には反政府勢力の反撃で政府首脳も負傷し、サーレハ大統領はサウジアラビアに逃れて治療を受けています。

民主化デモへの激しい弾圧が部族連合間の内乱状態に発展したのはリビアと同じような状況なのですが、なぜかイエメンについては国際報道が少なく、欧米が積極的な干渉に動くことはありません。その理由はサーレハと米国との関係、この地域におけるイエメンの米国にとっての役割にあります。ジェレミー・スケイヒルが、この背景を手際よく説明します。

世界で最も貧しい地域の一つイエメンは、オサマ・ビンラディンの父親の出身地でアルカイダのような軍事組織の絶好の訓練場です。下手をすれば米国から目の敵にされかねないイエメンの指導者として、冷戦時代から「テロとの戦い」の時代まで、上手に立ち回って米国の庇護を受けてきたサレハとはどんな人物なのか?隣国のサウジアラビアとの関係は? アルカイダ撲滅をめざす米国から大量に流れ込んだ軍事援助は、イエメン社会やアラビア半島にどのような影響を及ぼしたのか?サーレハ後のイエメンのゆくえを見るうえで、押さえておきたい背景です。(中野真紀子)

*ジェレミー・スケイヒル(Jeremy Schaihill):調査報道ジャーナリスト

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翻訳:玉川千絵子/全体監修:中野真紀子/サイト:丸山紀一朗