シアトル市が最低賃金15ドルを採択 残る課題とは

2014/6/5(Thu)
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米ワシントン州シアトル市議会は2014年6月、市の最低賃金を現行の9.32ドルから15ドルに引き上げる法案を可決しました。最低賃金としては世界でも最高水準となります。従業員が500人以上の企業は最短で3年、500人に満たない企業は7年の実施期間が与えられています。60%以上の引き上げとなる今回の法案が成立するまでの経緯をシアトル市議のクシャマ・サワントに聞きます。サワントは、最低賃金15ドルを公約に掲げて社会主義政党から立候補、2013年に当選しました。市議に就任するとすぐ「15ドル・ナウ」を立ち上げ、運動を率いてきました。

シアトル市の決定に対し、ワシントンD.C.に拠点を置く国際フランチャイズ協会 (the International Franchise Association)は、フランチャイズ企業の傘下で事業を行う会社に不公平な法案だとして連邦地裁に訴訟を起こしています。 フランチャイズ店はたとえ従業員が数十人だったとしても従業員500人超の大企業とみなされ、猶予期間が短くなるためです。

いっぽうサンフランシスコやシカゴ、サンディエゴでは、シアトルに続いて最低賃金の引き上げを検討するとしています。米国勢調査局の発表によると、米国の貧困率は16%を超えています。 財政破綻したデトロイト市は30%を超す 貧困率を記録し、ゴーストタウン化しています。2014年5月には低賃金労働者によるデモが各地で行われました。こうしたなかで成立した最低賃金15ドルの意義を聞きます。(桜井まり子)

*クシャマ・サワント(Kshama Sawant): シアトル市の市会議員。社会主義政党「ソーシャリスト・オルタナティブ」の党員で組合活動家。

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字幕翻訳:川上奈緒子/ 校正:桜井まり子