ジョン・ピルジャー 「盗まれた島」ディエゴガルシア

2007/6/7(Thu)
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14分

イギリスが領有する静かで平和なサンゴ礁の島が、いったいどうして世界最大級の米軍基地になってしまったのでしょう? 40年前に起こったイギリスによる恥ずべき窃盗の歴史を、ドキュメンタリー作家のジョン・ピルジャーが掘り起こします。

わずか数千万ドルと引き換えにアメリカに島を引き渡し、じゃまになった島民をひとり残らず連れ出し近くの島に捨てたイギリス。「あれは周辺から流れてきた人たちだ、島に土着の定住民はいなかった」と虚構を押し通し、何十年も彼らの存在をかき消してきました。ついに島民たちが声を上げ故郷に帰る権利を主張すると、政府は女王の勅令を使って彼らの権利を奪いました。

独自の取材で有名なジョン・ピルジャーは、「アメリカ帝国」とそれに対する抵抗運動の取材に、人生の大半を費やしてきました。50本以上のドキュメンタリー映画を制作する一方、執筆活動も旺盛です。 近作Freedom Next Time: Resisting the Empire(『自由をめざして─帝国への抵抗』)では、アフガニスタン、ディエゴガルシア島、インド、パレスチナ、南アフリカなどの現状を報告しています。 この本をめぐる長編インタビューの中から、特にディエゴガルシアに関する部分を取り上げます。ドキュメンタリー映画『盗まれた島』(Stealing a Nation)の一部もみられます。(中野)

★ DVD 2009年度 第4巻 「海外に広がる米軍基地」に収録

*ジョン・ピルジャー(John Pilger)1939年シドニー生れ。ベトナム、カンボジア、インド、バングラディッシュ、ビアフラなど世界各地の紛争地からの戦争報道で高く評価され、英国でジャーナリストに贈られる最高の栄誉「ジャーナリスト・オブ・ザ・イヤー」を2度受賞している。ロバート・ケネディ暗殺の現場に居合わせ、単独犯の犯行とする警察の公式発表を否定して犯人は複数いたと主張していることでも有名。現在はロンドンを拠点にドキュメンタリー番組や書籍を多数発表している。『世界の新しい支配者たち』(岩波書店)など多数の著書がある。

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字幕翻訳:玉川千絵子/校正:斉木裕明
全体監修:中野真紀子