カーター・センターに集う世界の女性人権活動家
アトランタのカーター・センターからのライブ中継で、世界で活躍する女性人権擁護活動家3人の話をききました。
マレーシアの著名なフェミニスト、ザイナー・アンワールは、一定のイスラム解釈によって女性差別を正当化し、憲法が保障する人権を侵害していることは、イスラムを利用した女性差別の永続化であると指摘します。イスラム国家とは異なり、国民の4割が非ムスリムの多民族国家マレーシアでは、ムスリムと非ムスリムの家族法の相違が、同一国家における女性の権利の格差という問題を生んでいます。
一方、紛争が続くケニアの活動家カーリベティ・ムルンギは、戦争と危機に対処する女性たちを支えることが活動の目標だといいます。
異なる背景や課題を抱える世界の他地域の人権活動家たちとの交流は、大きな収穫があったと彼女たちは語ります。
* ザイナー・アンワール(Zainah Anwar) マレーシアきってのフェミニスト。イスラムの枠内でムスリム女性の権利伸張を図る団体「イスラムの姉妹」(SIS)の事務局長。マレーシア人権評議会の元メンバー。
* カーリ・ベティ・ムルンギ(Kaari Betty Murungi) ケニアの弁護士、著名活動家。アフリカ緊急行動基金の事務局長。ケニヤ人権評議会やWomen’s Initiative for Gender Justice(ジェンダー正義を求める女性の率先行動)など多数の団体の理事をつとめる。2003年には、人権活動を評価されてケニアの国民栄誉賞(the Moran of the Order of the Burning Spear)を受賞した。
* ルイーズ・アーバー (Louise Arbour)国連人権高等弁務官。元カナダの最高裁判事。旧ユーゴスラビアとルワンダの紛争をめぐる国際軍事法廷の首席検事をつとめた。
字幕翻訳:大竹秀子 / 校正: 永井愛弓
全体監修:中野真紀子