ゴールドマン・サックスはいかにして危ないモーゲージ債を売りぬけたか

2009/11/4(Wed)
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ゴールドマン・サックス社(GS)は未曽有の金融危機で生き残り、ライバルが敗退した後の金融市場に君臨しています。業績は好調で、顰蹙を買うほど多額のボーナスを支給しました。しかし金融危機の前、米国の最大手証券はいずれも高リスクのデリバティブ商品を扱っていました。どうしてGSだけが、無傷で撤退できたのでしょう?

マクラッチー紙が5カ月に及ぶ調査取材で明らかにしたところによると、ゴールドマン・サックスは住宅ローン危機をいちはやく察知して、高リスク証券を顧客に売りつけながら、裏ではこっそり市場の暴落に賭けをはっていたらしいのです。

同社は2006~07年に数百億ドル相当のモーゲージ債(高リスク住宅ローンを担保にした金融派生商品)をトリプルAの優良債券として売りさばきました。しかし顧客には内緒で、住宅市況が急落し、これらの債券が暴落するほうに賭けていました。この背信行為によって同社は危険な資産を暴落の前に売り抜けましたが、これは証券取引法に違反しかねません(中野)

*グレッグ・ゴールドン (Greg Gordon)
マクラッチー紙の調査報道記者。市場の暴落を予想していたゴールドマン・サックスが、秘かに住宅ローン抵当証券を顧客に売りつけたと、数回にわたるシリーズ記事"Goldman Sachs: Low Road to High Finance"に書いた。

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字幕翻訳:中村達人/校正:関房江
全体監修:中野真紀子・付天斉