タハリールの攻防
2011/2/4(Fri)
Video No.:
3
24分
2011年1月25日からエジプトで続いた民主化デモの正念場の1つに、2月2日、タハリール広場で繰り広げられた大統領支持派と市民の攻防戦があります。一夜明けたタハリール広場で、シャリフ・アブドゥル・クドゥースが市民にインタビューしました。市民が一様に口にしたのは、ムバラク派の暴徒が馬やラクダで突っ込み、銃、火炎ビン、ナイフやパイプなどの武器を使って襲ってきたことでした。橋の上など高所からの狙い撃ちもありました。
この映像ではタハリール広場を守るために、市民がさまざまな工夫こらし、協力する様子がみられます。広場内に作られた仮設病院で働くボランティアたち、3重の防衛ラインを敷き、それぞれに見張りを立ててムバラク派が来たら音で知らせ合う、高い建物にムバラク派のスパイが入らないように入り口で検査するなど、最前線の後方を守る人々の様子は日本のメディアではほとんど報道されませんでした。
市民は怒りをあらわにしながらも、その顔には希望がありました。民主化デモは衰えるどころかさらに勢いを増し、攻防戦の翌日には百万人規模に達しています。多数の犠牲者を出しながらも政権側のあらゆる妨害をはねのけたエジプト市民の戦いをごらんください。(桜井)
*シャリフ・アブドゥル・クドゥース(Sharif Abdel Kouddous):デモクラシー・ナウ!特派員
Credits:
字幕翻訳:小椋優子 校正・全体監修:桜井まり子