米大統領選テレビ討論会で隠されたこと
米大統領選挙の投票日が近づいていた2012年秋、民主党のオバマ大統領を共和党のロムニー候補が激しく追い上げ、テレビで放映された公開討論会に、有権者の注目が集まりました。けれども、「米国大統領選:討論会で裏取引? 」でもご紹介したように、この公開討論会は、二大政党の枠に有権者を取り込み、それ以外の選択を見えなくすることを狙い、操作されています。司会者には、主流メディアのジャーナリストが選ばれますが、中立を装いながら実は、質問内容はじめさまざまな制約を課され、がんじがらめです。少数政党の候補を排除し、二大政党が一致している問題を議題からはずすことで問われるべき政策が問われず、投票者が大統領候補の考えを聞く貴重な機会が失われてしまいます。
今回、二大政党とその意を受けた大統領候補討論会 委員会との間で交わされた契約が暴露されたおかげで、討論会の仕組みをより多くの国民が知るようになり、より開かれた公開討論会に向けての動きも勢いを増したようです。2012年の大統領選公開討論会で、どのような重要な問題が問われずに終わったのか?(無人機攻撃は、正当なのか?本当に国益に合うのか?etc.)司会者の偏った質問により、検証されることなく世論を代表する意見とみなされてしまったのは、何か?(イランは米国の安全保障にとって、最大の脅威なのか?etc.)2012年の公開討論会で、何が隠されたのかを、検証します。(大竹秀子)
*グレン・グリーンウォルド(Glenn Greenwald): ガーディアン紙のコラムニスト兼ブロガー。With Liberty and Justice for Some: How the Law Is Used to Destroy Equality and Protect the Powerful (『一部の人間のための自由と正義:法がいかに平等を破壊し権力者たちを守るために法がいかに使われているか』)の著者
*ジョージ・ファラー(George Farah):「オープン・ディベート」事務局長。No Debate: How the Republican and Democratic Parties Secretly Control the Presidential Debates(『討 論などない:民主・共和両党が大統領候補討論会をいかに裏で操作しているか』)の著者
字幕翻訳:斎藤雅子/校正/大竹秀子/Web作成:桜井まり子