罰せられる島ビエケス 米軍撤退後も続く被害

2013/5/2(Thu)
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13分

ビエケス島は米領プエルトリコの本島の東側に位置する、プエルトリコ全体の面積の20分の1にも満たない小島です。1940年代以来、米国海軍は爆撃演習場としてビエケス島の4分の3を使用し続け、そのため島は不発弾や様々な廃棄物によって高度に汚染されました。島民による粘り強い反演習闘争は1999年の誤爆による民間警備員の死で転換点を迎え、2003年 ついに海軍は演習場を放棄しました。しかし爆発物の処理や環境除染は殆ど進んでおらず、住民多数に重金属その他の有害物質の体内蓄積が報告され、癌発生率 も異常な高率のままです。

番組では海軍撤退10周年の記念集会開場から、ビエケス救援開発委員会の創設メンバーで反基地闘争によって投獄された経験を持つ ロバート・ラビン氏と、プエルトリコ出身のニューヨーク州選出下院議員ホセ・セラーノ氏のおふたりに伺います。米国政府は海軍を追い出されたことを逆恨み してビエケス島民を罰していると語るラビン氏は、同時期に実施された隣接のローズベルト・ローズ海軍基地撤退の例を挙げて、基地での雇用をなくすことに よってビエケスを「罰」しているとも指摘しています。

ここに沖縄や原発立地自治体に関連して常に持ち出される「負担と受益」のバランス論という根深い問題 があることを思う時、遠いビエケス島は我々の住む国とも繋っていることが痛感されます。(斉木裕明)

*ロバート・ラビン(Robert Rabin): 「ビエケス島救援開発委員会」(Committee for the Rescue and Development of Vieques)の創設メンバー。米海軍の爆撃演習を終結に導いた市民的不服従により半年間投獄された経験がある。

*ホセ・セラーノ(José Serrano): プエルトリコ出身でニューヨーク州選出の下院議員。ビエケスにおける米軍の行動に対する批判で知られる。

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字幕翻訳:小田原琳 校正:斉木裕明