ブッシュ政権の拷問政策にオバマはどう対応すべきか? 後編
ブッシュ政権が残した大問題の一つは、拷問の合法化です。5月に拷問メモがオバマ政権の手で公開されたことを受け、パウエル長官の元側近が尋問はイラク戦争を正当化する理由をみつけるためだったと証言したり、拷問の合法化にかかわったブッシュ政権の法律顧問12名の弁護士資格を剥奪せよという運動が始まったりしました。米国の外でも、スペインのガルソン判事が同国の司法長官の反対を押し切ってグアンタナモにおける拷問の採用と、それを合法化したブッシュ政権の法律顧問に対する捜査を始めました。
しかしオバマ大統領は責任追及に消極的です。ブッシュ政権の囚人虐待を追及してきた二人のゲストに状況を聞きます。英国のフィリップ・サンズ弁護士は著書『ブッシュ政権の拷問チーム』で、拷問を合法化した法律顧問たちの役割をあばき、それが今回のスペインの判事による提訴につながりました。『ニューヨーカー』誌のジェーン・メイヤー記者は、著書『対テロ戦争からアメリカの崩壊へ』で数々の賞を受賞しました。この2人によるディープな議論の一時間です。(中野)
フィリップ・サンズ(Philippe Sands) 英国の弁護士。ロンドンのユニバーシティカレッジの教授。Torture Team: Rumsfeld’s Memo and the Betrayal of American Values (『拷問チーム:ラムズフェルドのメモとアメリカの価値観への裏切り』)やLawless World: America and the Making and Breaking of Global Rules (『無法の世界 米国による世界的規則の創出と違反』)などがある。
ジェーン・メイヤー(Jane Mayer) 『ニューヨーカー』 の常連寄稿者。 著書The Dark Side: The Inside Story of How the War on Terror Turned into a War on American Ideals (『暗部: テロとの戦争がいかにしてアメリカの理想との戦争に変わってしまったかの裏話』)でライデンハウワ賞やニューヨーク公共図書館のヘレン・バーンステイン賞を受賞した。
字幕翻訳:田中泉/校正:桜井まり子
全体監修:中野真紀子・高田絵里