気候戦争 -過熱する世界での生き残りをかけた闘い
2010/7/8(Thu)
Video No.:
3
15分
今年の夏はボストンからバグダッド、北京にいたるまで、全世界の都市が記録破りの猛暑に襲われました。地球の気温上昇は昨年開かれたコペンハーゲン国連気候会議で抑制目標とされた「2℃」を大きく上回り、21世紀末までに4℃上昇するとい新予測がでています。でも気温上昇が2℃を上回ればもはや制御は不能となり、永久凍土の溶解など自然界の自律的な反応が始まり、破壊的な温暖化に進みます。温暖化の影響は、海面上昇や洪水、ハリケーン災害や山火事など自然災害の多発だけにはとどまりません。追い詰められた人間が引き起こす人為災害も相当に破壊的なものになるでしょう。国際関係と地政学の専門家グウィン・ダイアーは、温暖化が止まらない場合の世界の様相を予想し、大規模な飢饉や核戦争による死屍累々の醜悪な未来予想を語ります。
ダイヤーによれば、気候変動は食糧供給の大幅な減少をもたらします。平均気温が1℃上がると穀物生産は1割減し、深刻な水不足がこれに拍車をかけます。水の取り合いは、ナイルやユーフラテスなどの国際河川で上流の国々と下流の国々の間に深刻な対立をもたらします。食糧の絶対量が不足するなかで、十分な食糧のある場所に周辺地域から飢えた人々が殺到し、彼らを食い止めようとする国境地帯は地獄の様相を呈するでしょう。国防総省は、温暖化を否定するブッシュ政権の立場とは裏腹に、その当時から温暖化の影響を軍事戦略に組み込んでいたといいます。
この暗澹とした未来の到来を防ぐ切り札として、ダイヤーが提唱するのが「地球工学」を利用した一時的な温暖化の抑制です。気温上昇が自然の暴走にスイッチを入れる前に、さまざまな科学的手段を駆使しで太陽光が地表に到達するのを防ぎ、気温の上昇を防ぐというアイディアです。それはいったい、どんなものでしょう。(中野)
ダイヤーによれば、気候変動は食糧供給の大幅な減少をもたらします。平均気温が1℃上がると穀物生産は1割減し、深刻な水不足がこれに拍車をかけます。水の取り合いは、ナイルやユーフラテスなどの国際河川で上流の国々と下流の国々の間に深刻な対立をもたらします。食糧の絶対量が不足するなかで、十分な食糧のある場所に周辺地域から飢えた人々が殺到し、彼らを食い止めようとする国境地帯は地獄の様相を呈するでしょう。国防総省は、温暖化を否定するブッシュ政権の立場とは裏腹に、その当時から温暖化の影響を軍事戦略に組み込んでいたといいます。
この暗澹とした未来の到来を防ぐ切り札として、ダイヤーが提唱するのが「地球工学」を利用した一時的な温暖化の抑制です。気温上昇が自然の暴走にスイッチを入れる前に、さまざまな科学的手段を駆使しで太陽光が地表に到達するのを防ぎ、気温の上昇を防ぐというアイディアです。それはいったい、どんなものでしょう。(中野)
*グウィン・ダイアー(Gwynne Dyer)国際関係と地政学を専門とするフリーランス・ジャーナリスト。新刊書はClimate Wars: The Fight for Survival as the World Overheats(『気候戦争: 過熱する世界での生き残りをかけた闘い』)
Credits:
字幕翻訳:さかまきさきえ/校正:桜井まり子
全体監修:中野真紀子
全体監修:中野真紀子